桐生にお店を開いて20年。フレンチをもっと身近に感じてもらいたいと願う店主が営む小さなレストラン。店主の人柄とこだわり抜かれた美味しい料理が県外からもお客様を惹きつけます。
開業の経緯を教えてください
出身は桐生で、生まれてから現在までずっと桐生に住んでいます。手に職をつけたくて料理人になりました。料理人人生は30年以上で、12年は修行、20年くらいこの場所でお店をやっています。最初にバイトとして勤めたフランス料理屋さんに、高校卒業後にそのまま就職し、それから修行したので専門学校には通っていませんでした。今考えると料理学校を卒業したとしても、ほとんど使えないかな。やっぱり実践が大事だなって感じますね。それで2003年にここでフランス料理のレストランをスタートしました。きっかけは、とりあえず最初にまちづくりの一環でどうですか?と声がかかって、ちょうどお店を探していたところに、30年くらい使っていない空き物件の話が入ってきたからですね。まちづくりの一環ということで、支援金が少し出るのもあってここの物件に決めました。
この仕事の面白さややりがいはどうでしょうか
おもしろさ、やりがいね、、、なんだろう…(笑)。コンセプトとしてはカジュアルなフレンチかなぁ、でもそんなにこだわりっていうこだわりはないかな(笑)。自分で美味しいと思ったものを出すことを心がけています。フランス料理を選んだきっかけは、とりあえず働いていたお店がフランス料理だったからかな。フレンチは奥が深いところと、繊細なところが魅力に感じます。難しさはあるにはあるけど、それ言っちゃうとキリがないし(笑)。ひとつのメニューをつくるのに何十回も失敗したり、時間や手間がかかるのがいちばん大変な気がします。もちろん今でもずっと料理の勉強は続けていますよ。本場フランスにも食べに行ったけど、星付きのレストランはやっぱり美味しかったですね。
お店の魅力やおすすめ料理を教えてください
料理のスタイルとしては、桐生は特にご年配の方が多いから、冒険はせずに昔ながらの誰もが食べられるフレンチになっています。パスタ屋さんに行くような感覚で、もっと気軽にフレンチを楽しんでもらいたいなと。客層は地元の方もいるけど、ありがたいことに県外からこのお店の料理を食べに足を運んでくださる方も多いです。でもやっぱり20歳くらいの若いお客さんは少ないかな。おすすめしたい料理は、ラクレットやオニオングラタンスープなどのチーズ料理です。チーズ料理をおすすめしたい理由は、チーズにこだわっているのもあるけど、自分自身がチーズ好きなんだよね(笑)。チーズはグリュイエールチーズを使用していて、値段は張るけど、やっぱり味が違いますよ。オニオングラタンスープは季節関係なくずっとやっているので、是非召し上がってみてください。仕入れにはあまりこだわっていないというわけじゃないけど、落とすところは落とさないと値段的にもやっていけなくなるからね。いい材料を使えば当然美味しい料理が作れるんだけど、そうじゃなくて手間をかけておいしい料理を作ることをモットーにしています。


今後の展望はどうでしょうか
展望は、、、このまま現状維持が一番いいんだろうけど、料理的にはもっと崩したい、もっと大雑把というか、大皿料理とかにも挑戦してみたい気持ちはあるかな。だいぶ増えてきてはいるけど、若い人にもっと来てもらいたいですね。どうしてもフレンチってハードルが高いイメージがあるから、パスタ屋さんと同じような感覚で足を運んでもらえるようなお店にしたいです。原価がある分そこそこ高くなっちゃうけど、おもいっきり高くはせずにね、ここら辺の塩梅は難しいんだけど最大限できることはやりたいです。歳を取ったら、カウンターみたいなところでこじんまりとでいいから続けていきたいとは思っています。自分が歳をとってもできることは料理しかないからね(笑)。今考えると自分のお店をやろうと思って就いたバイト先じゃなかったんだけど、運命の出会いというのかな、うまいことフレンチの料理人という仕事に巡り合ったって感じだね。
この町についてはどう感じていますか
この町はみんな新しいもの好きだね。文化としては社長気質な性質が残っているのかな。機織りの社長がお金使い荒い感じだったり、機織り屋さんの伝統が根強く残ってると思う場面が多いです。あとは芸術肌の人が多いですね。桐生の人が変わっているのか、変わり者が集まっているのか(笑)。桐生でお店やっている人って変わり者多いかもしれない、自分も含めてね(笑)。あんまりビジネスチックに考えてない人が多い、職人肌の人が多いというところが桐生のいいところだと思うな。弱みは横の繋がりが薄いところかな。年配の人とのギャップというか、考え方にちょっと差があるかなって感じる部分もあって、難しいところですね。この町でどこかおすすめの場所っていうより、のんびり歩いたりして町並みを見るのは桐生を感じることができていいと思いますよ。だいぶいろんな店ができてきたから、ここからどう動くかだよね。もうちょっとお店が増えて人が呼べるようになればうれしいですね。

